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Community Blog アリババクラウドとデータ関連法:アリババクラウド + Salesforce Solution

アリババクラウドとデータ関連法:アリババクラウド + Salesforce Solution

Alibaba Cloudは、中国進出や中国での事業拡大において多国籍企業が直面するセキュリティ・コンプライアンスの重要性と課題を熟知しています。今回はサイバーセキュリティ法に関連して、今非常に多くのお問い合わせをいただいているSalesfoce社との取り組みをご紹介します。

サイバーセキュリティ法(CSL)には重要データと個人情報の中国国内保存要件があります。欧米発のサービスは、中国国内にデータ・センターを持たないことが多く、中国で利用できない通信が非常に遅い、あるいは中国で利用するとデータ・レジデンシへのコンプライアンス違反状態となっている、といったケースがあります。アリババクラウドは、このような状況を解消するだけでなく、中国国内のプラットフォームと容易に連携することを可能とするサービスを提供することで、お客様の中国ビジネスをご支援しています。

今回は、アリババクラウドのそんな活動の一つで、お客様から非常に多くのお問い合わせをいただいているSalesforce様との取り組みをご紹介します。

アリババクラウドとSalesforceとの戦略的パートナーシップ

中国ではソーシャル・ネットワーク上のコミュニティを活用し、Eコマースの販売を促進するソーシャル・コマースが発達しています。2020年、中国のソーシャル・コマースは44%の成長を遂げています。2021年はさらに35.5%拡大し、市場規模は3630億米ドルを超えると予想されています。

中国の巨大な市場は、多くの企業にとって非常に魅力的です。ところが、日本や欧米発の多国籍企業は中国市場に進出する際、しばしばパフォーマンスの低下、データ・レジデンシに関するコンプライアンス対応、現地のプラットフォームとの連携の難しさといった課題に直面し、市場の恩恵を十分に得られないという状況を経験してきました。

こうした課題を受け、アリババクラウドとSalesforce社は2019年、戦略的パートナーシップを発表しました。Alibaba CloudとSalesforceは、ソーシャル・コマースの成長を念頭に、中国における全てのストア・フロントのデータを一元管理できるよう支援し、現地の主要なシステムとの連携を可能とするSalesforce Social Commerceを開発します。

Salesforce Social Commerceはソーシャル・ネットワークのミニ・プログラムや「.CN」の中国ドメインのウェブサイトなど、中国固有のチャネルでのEコマースをサポートし、顧客の注文管理システム(OMS)、商品情報管理システム(PIM)、配送業者など、主要なデジタル・コマース・システムと連携する他、標準的な決済処理として、アリペイなど現地の決済システムにも対応する予定です。

中国のEコマース市場が急速に発展する中、Salesforceとアリババクラウドは、Salesforce Social Commerceの新機能や連携機能を定期的に提供し、顧客が市場のトレンドを把握するために必要なツールを提供していく予定です。

Salesforce Social Commerce は、アリババクラウドがその独占プロバイダとして、中国本土、香港、マカオ、台湾(中国)で販売することが決まっています。

アリババクラウドとのパートナーシップがもたらす恩恵

Salesforceを中国で利用している企業はこれまでも多くありました。しかし、中国でのSalesforce利用には、中国サイバーセキュリティ法対策の課題、日中間の通信速度の課題、Salesforceが将来中国国内で解説するSalesforce on アリババクラウドへの移行の課題、といった課題がありました。特に最初のサイバーセキュリティ法対策については、中国国内で取得・生成した個人情報を中国国内に保存しなければならないという要件に合致できていないため、現時点でコンプライアンス違反となっている問題があります。

中国におけるSalesforceのアリババクラウド上への展開は、コロナ禍の影響もありまだ完了していませんが、お客様は、アリババクラウドを介してSalesforce契約を行うことによって、今述べた課題を解消することができます。

サイバーセキュリティ法対策については、既存のSalesforceとの契約をアリババクラウド経由の契約に切り替えることで、契約条件をそのままで、サイバーセキュリティ法へのコンプライアンス・リスクを大幅に低減することができます。また、必要に応じて、当社認定パートナーであるAccentureやDeloitteがサイバーセキュリティ法へのコンプライアンス証明書を出すことも可能となります。

日中間の通信速度対策については、アリババクラウドが提供しているクラウド型専用線サービスのCEN(Cloud Enterprise Network)をご提供しています。CENはよりスムーズな日中間通信を実現します。お客様は、通信速度の心配をすることなく、日本をはじめとする中国国外のデータ・センターに展開されたSalesforceに中国からアクセスできるようになります。

Salesforceが中国にデータ・センターを移管した際に、データの移行もお客様にとっては課題となります。契約の形態によっては、契約期間が障害となり適時にデータ移行ができず、コンプライアンス・リスクを高めることでビジネスを危険にさらしてしまう可能性もあります。その点、アリババクラウド経由のリセラー契約に切り替えておくことで、お客様はSalesforce on Alibaba Cloudのデプロイ完了後、スムーズな移行手続きをとることができるようになります。
 

中国でSalesforceを利用する企業はすぐに行動を

アリババクラウドとデータ関連法:サイバーセキュリティ法対応」でも触れましたが、中国当局はデータ・セキュリティを国家戦略として推進していることもあり、サイバーセキュリティ法の取締りを積極的に行っています。コンプライアンス違反は、指導や罰金にとどまらず、中国国外との通信の遮断や営業ライセンスの停止等、ビジネスの根底に影響を及ぼすような結果をもたらすこともあります。これは決して都市伝説ではなく、お客様からのご相談を受ける中で、「日本との通信を止めるぞと公安から言われてしまった」という声が実際に聞こえてきています。

データ・セキュリティに関するコンプライアンスは、確実に対応を進めるべきでしょう。

Salesforceは優れたCRMであり、グローバルで活用するという方針をとっている日本企業も数多くあります。こういった企業様で、中国でもSalesforceを利用されている場合は、ぜひアリババクラウドを通じたリセール契約への切り替えをご検討ください。

ご紹介したサービスについて詳しいご説明をご希望の方は、お気軽に担当の営業にお申し付けください。

関連サービス

クラウド型専用線サービスCEN(Cloud Enterprise Network)
MLPS 2.0 コンプライアンス

Japan Trust Centerもご覧ください

アリババクラウドでは、これまでさまざまな形で情報をご提供してきました。日本語で発行したホワイトペーパーやコンプライアンス活動に関する情報は、Japan Trust Centerにまとめていますので、こちらもぜひご訪問いただければ幸いです。

Alibaba Cloudについて

アリババクラウドは世界25リージョン、80アベイラビリティゾーンを提供する、アジア太平洋地域第一位、世界第三位*のパブリッククラウドサービス事業者です。
2020年度には、フォーチュン500企業の38%がアリババクラウドをご利用いただいています。
また、アリババクラウドは事業を展開する国と地域で適用される法律や規制を遵守しており、現在世界で80以上のセキュリティとコンプライアンスの認定を取得しています。
アリババクラウドのセキュリティとコンプライアンスについては、アリババクラウドTrust Centerにて詳細な情報を提供しております。
https://www.alibabacloud.com/ja/trust-center/japan

(*Gartner Market Share: IT Services, Asia Pacific, WorldWide 2020)

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