1. 手順
作業の流れ
次のステップ 1 から ステップ 5 の作業が必要です。
2. ハードウェアの設置
(1) Data Transport デバイスの設置
筐体の電源ソケットに合った電源コードを準備します。
ハードディスクが、しっかりと確実に装着されているかどうかを確認します。
ポートを確認します。Data Transport デバイス本体には、1 Gbit/s LAN ポート 4 基、USB 3.1 ポート 1 基、および USB 2.0 ポート 5 基を装備しています。また、拡張アダプターに 10 Gbit/s 光 LAN ポート 2 基と 10 Gbit/s メタル LAN ポート 2 基を装備しています。
(2) 管理ポート IP アドレスの変更
Data Transport デバイスの電源がオンになったら、LAN ケーブルを使用してデバイスの LAN ポートにラップトップを直接接続します (このポートを管理ポートと呼びます)。次に、ラップトップの IP アドレスをデバイスと同じセグメントに設定します。
Data Transport デバイスの背面を次の図に示します。
1: 1 Gbit/s の内蔵 LAN ポート
2: 10 Gbit/s の拡張 LAN ポート (アダプター 5 およびアダプター 6)
3: 10 Gbit/s の拡張 LAN ポート (アダプター 7 およびアダプター 8)
4: USB 3.1 ポート
5 および 6: USB 2.0 ポート
デバイスが起動した後、デバイス前面の液晶ディスプレイの横にある黒いボタンを押すと、LAN ポートの番号と、それに対応する IP アドレスが表示されます。ラップトップのネットワーク設定を、それと同じネットワークセグメントの IP アドレスに設定して、LAN ケーブルでポートに直接接続します。その後、Data Transport デバイスコンソールにログインして、デバイスのネットワーク側 LAN ポートの IP アドレスを設定できます。Data Transport デバイスの前面を次の図に示します。
(3) コンソールへのログイン
管理ポートの IP アドレスを取得したら、ラップトップ上でブラウザーのアドレスバーに http://<IP アドレス>
と入力します。Data Transport デバイスコンソールが表示されるので、これにログインします。ユーザーアカウントとパスワードを取得するには、Alibaba Cloud カスタマーサービスにお問い合わせください。
(4) システム時刻の設定
デバイスコンソールに初めてログインしたときは、[System]、[General Settings]、[Time] の順に選択し、時刻を設定します。表示されるタブページで、[Time zone] をローカル時間に設定します。現在時刻を手動で設定するか、NTP (Network Time Protocol) サーバーを使用して時刻を自動的に同期することができます。入力後、[Apply] をクリックします。
(5) ネットワークの設定
[Network & File Services]、[Network and Virtual Switch]、[Interfaces] の順に選択して下さい。表示されるタブページで、[Connected] 状態のポートを選択し、[Configure] をクリックします。
表示されるダイアログボックスで、IPv4 アドレスを次のように設定します。[Use static IP address] を選択し、[Fixed IP Address]、[Subnet Mask]、および [Default Gateway] を設定して、[Apply] をクリックします。
注意: 帯域幅を元に 1 Gbit/s または10 Gbit/s のいずれかにポートを設定します。
(6) デバイスの再起動またはシャットダウン
コンソールの右上隅にある [admin] をクリックします。表示されるドロップダウンリストで、[Restart] または [Shutdown] をクリックします。
表示されるダイアログボックスで、[Yes] をクリックします。
3. ソフトウェアの設定
(1) コンソールへのログイン
Web ブラウザーを開きます。アドレスバーにコンソールの IP アドレスを、<サーバー IP アドレス>:8090
の形式の入力します (<サーバー IP アドレス>
は Data Transport デバイスの IP アドレスで、8090
は TCP ポート番号です)。
たとえば、アドレスバーに https://<IP アドレス>:8090
と入力します。ユーザーアカウントとパスワードを取得するには、Alibaba Cloud カスタマーサービスにお問い合わせください。
(2) システム設定の完了
データ移行サービス (Data Migration Service; DMS) コンソールにログインし、左側のナビゲーションペインで [System Setting] を選択します。表示されるページで、サーバーのパフォーマンスに基づいて、[Working Thread] と [Flow Control] を設定します。
デフォルトでは、トラフィックフロー速度は制限されません。環境に応じて調整ルールを追加できます。
[Submit] をクリックします。
注意: Data Transport のデフォルト設定はシステムパフォーマンスが最適化されているので、これを使用することをお勧めします。
4. データソースアドレスの作成
(1) 各種データソースの追加
データソースの設定は、データ移行にとって重要です。データソースのアドレスを作成し、移行要件に基づいて Data Transport デバイスにデータを移行できます。Data Transport は、そのデータを Object Storage Service (OSS) に移行します。現在、次のデータアドレスがサポートされています。
クライアントデータアドレス:
ローカルフォルダー (USB デバイスのマウントによる)
リモートフォルダー (NAS (Network Attached Storage) を含む)
Windows 共有フォルダーおよび Linux NFS (Network File System) フォルダー
クラウドデータアドレス:
- Alibaba Cloud OSS バケット
(2) ローカルデータアドレスの作成
ローカルデータアドレスを作成して、USB デバイスを Data Transport デバイスにマウントします。
DMS コンソールにログインし、左側のナビゲーションペインで [Data Address] を選択します。表示されるページの右上隅にある [Create] をクリックします。次に、[Data Name] を設定し、[Data Type] ドロップダウンリストから [Local File System] を選択し、[Local Folder] テキストボックスにローカルディレクトリを入力して、必要な USB デバイスを Data Transport デバイスにマウントします。
[OK] をクリックします。
注意: USB 3.0 ポートを使用してデータソースを作成する場合は、[Local Folder] に USB ファイルパスを入力します。
表示されるページで、作成したデータアドレスのデータ名とデータタイプを確認できます。
注意: デフォルトの LTC_Default データアドレスは、Data Transport デバイスにデータを保存するためのデフォルトパスです。
(3) リモートデータアドレスの作成
現在、Data Transport では、リモートフォルダーとして NAS フォルダー、Windows 共有フォルダー、および Linux NFS フォルダーをサポートしています。データを Data Transport デバイスに移行した後、Data Transport によってデータが OSS にアップロードされます。
左側のナビゲーションペインで [Data Address] を選択します。表示される [Data Address Manager] ページで、[Create] をクリックし、[Data Type] を [Remote File System] に設定します。
[Remote File Source] を [NAS]、[Remote Windows]、または [Remote Linux] に設定します。
Windows ファイルまたは Linux NFS ファイルを共有するには、次の手順を実行します。
A. リモート Windows フォルダーの共有
リモート Windows フォルダーを共有するには、共有するフォルダーまたはディスクを選択します。次に、フォルダーまたはディスクを右クリックし、次に示すドロップダウンリストが表示されるまで待ちます。
[Share with]、[Advanced sharing] の順に選択します。次に示す通り、フォルダーの [Properties] ダイアログの [Sharing] タブが表示されます。
[Advanced Sharing] をクリックし、[Share this folder] をチェックし、[OK] をクリックします。
[Close] をクリックします。これで Windows ファイルは共有可能になります。
DMS コンソールにログインし、左側のナビゲーションペインで [Data Address] を選択します。表示される [Data Address Manager] ページで、[Data Name] を設定し、[Data Type] ドロップダウンリストから [Remote File System] を選択して、[Remote File Source] を [Remote Windows] に設定します。また、[Windows Network Address]、[Windows Sub Folder]、[Username]、および [Password] を設定します。デフォルトでは、[Connection Type] は [SMB] (Server Message Block) に設定されています。
次の例は、共有フォルダーを設定する方法を示しています。
[OK] をクリックします。
データアドレスの一覧には、作成したデータアドレスが表示されます。
SSH を使用して Data Transport デバイスにログインし、
df -h
コマンドを実行して、フォルダーまたはディスクがデバイスにマウントされているかどうかを確認します。上図のコマンド出力は、フォルダーまたはディスクが Data Transport デバイスに正常にマウントされていることを示しています。
注意: Windows のフォルダーまたはディスクを共有した後、Data Transport デバイスが Windows オペレーティングシステムのポート 445 にアクセスできるように、ファイアウォールが設定されていることを確認してください。これを実現するには、対応するルールをファイアウォールに追加します。(あるいは、すべてのデータが送信されるまで、ファイアウォールを一時的に無効にすることもできます)。ファイアウォールにルールを追加したら、telnet <Windows IP> 445
コマンドを実行して、Data Transport サーバーが Windows オペレーティングシステムに正しく接続できるかどうかを確認します。
B. リモート Linux ファイルの共有
NFS 共有フォルダーの作成
次に、CentOS 7 で NFS フォルダーを作成し、共有する方法について説明します。
NFS によるフォルダーの共有を実現するには、次の手順を実行します。
yum install -y nfs-utils
コマンドを実行して、NFS をインストールします。/etc/exports
ファイルを修正します。# vi /etc/exports
/data *(rw,no_root_squash)
/data1 *(rw,no_root_squash)
設定を保存し、ファイルの編集を終了します。
NFS サービスを開始するには、次のコマンドを実行します。
systemctl start nfs.service
デバイスの電源投入時に NFS サービスを開始できるようにするには、次のコマンドを実行します。
systemctl enable nfs.service
systemctl status rpcbind.service
コマンドを実行して、NFS サービスの状態を確認します。サービスが実行されていない場合は、デバイスの電源がオンになったときに開始するように設定します。
このステップでは、必要に応じて関連するファイアウォールルールを追加する必要があります。または、すべてのデータが送信されるまで、ファイアウォールを一時的に無効にすることができます。
リモート Linux ファイルのデータアドレス作成
[Data Address Manager] ページで、[Create] をクリックします。表示される [Create Data Address] ダイアログボックスで、[Data Name] を設定し、[Data Type] ドロップダウンリストから [Remote File System] を選択して、[Remote File Source] を [Remote Linux] に設定します。また、[Linux Network Address]、[Linux Sub Folder]、および [Connection Type] を設定します。
次の図に例を示します。
上記の設定を確認し、[OK] をクリックします。次の図に示すように、Linux データアドレスが表示されます。
NAS フォルダーの共有
NAS フォルダーの共有は、次の図に示すように、リモート Linux ファイルの共有と同様の手順で実現可能です。
5. 移行ジョブの作成
(1) ジョブ設定ページへの移動
DMS コンソールで、[Data Migration] を選択します。データ移行サービスページに初めて移動したときには、データ移行サービスを有効にするためのパスワードの入力を求められます。
パスワードを入力します。
データを Data Transport デバイスに移行し、Data Transport デバイスのデータを Alibaba Cloud に移行します。
Data Tansport は、クラウドに移行する前に、ローカルとリモートの両方のファイルを暗号化します。
(2) データ移行ジョブの作成
デバイスから Alibaba Cloud にデータを送信するために使用されます。必要に応じて、ジョブを作成、実行、一時停止、または再開できます。
Data Transport デバイスに、データソースからデータを読み取り、暗号化、圧縮、および保存を行うデータ移行ジョブを作成します。移行ジョブを作成するには、次の手順を実行します。
ジョブを作成するために、右上隅にある [Create] をクリックします。
表示されるダイアログボックスで、[Job Name]、[Source Address]、[Destination Address]、および [File Limit] を設定します。プラス記号 (+) をクリックして、データアドレスを追加することもできます。
必要に応じて、最大ファイル数を設定できます。
[OK] をクリックします。
表示されるページで、作成したジョブが初期状態であることが示されます。
ジョブの横にある [Resume]、[Pause]、または [Retry] をクリックできます。
(3) クライアントから Data Transport デバイスへのデータ移行
ステップ 2 が完了すると、移行ジョブの一覧が表示されます。
1 つ以上のジョブを選択し、[Batch Execute] をクリックして、暗号化されたデータを Data Transport デバイスに書き込みます。
数分待ってから、右上隅の [Refresh] をクリックします。
バッチ実行が開始されると、現在のジョブの進捗、ジョブ実行履歴、ファイル総数、処理済みファイル数、および失敗したジョブを確認できます。すべての移行ジョブが完了状態になるまで待ちます。
移行ジョブの完了後、暗号化されたデータがデフォルトディレクトリに格納されます。これは、移行ジョブの一覧で [Address] 列に表示されます。
6. Data Transport デバイスの回収を Alibaba Cloud カスタマーサービスに通知
Data Transport クラウドコンソールにログインし、[注文管理] ページで、注文の右端に表示された [データダウンロード完了] をクリックして、表示されるダイアログボックスの [OK] をクリックします。
注文の [ステータス] が [データダウンロード完了] に変化した後、Alibaba Cloud カスタマーサービスが通知を受け取り、Data Transport デバイスを回収するために運送サービスを手配します。