Oplock は、サーバーメッセージブロック (SMB) プロトコルの重要な機能です。Oplock を使用すると、クライアントはデータをキャッシュし、ローカルで先行読み取りを行うことができます。これにより、リモートサーバーとのやり取りが減り、ファイルアクセス速度が大幅に向上します。Oplock は、単一ユーザーのファイルの読み取りと書き込み、複数ユーザーの同時アクセス、インターネットインフォメーションサービス (IIS) サーバー、ゲノミクスコンピューティング、共有マップアプリケーションなどのシナリオでパフォーマンスを大幅に向上させます。
シナリオ
単一クライアントでのファイル書き込み
単一のクライアントがファイルを書き込む場合、SMB クライアントはライトバックモードを使用します。各操作で小さなデータチャンクをバックエンドに書き込むライトスルーモードとは異なり、ライトバックモードはローカルの書き込みキャッシュを最大限に活用します。これにより、ネットワーク通信が減り、全体的な書き込み効率が向上します。
単一または複数クライアントでの同時ファイル読み取り
ファイル読み取り操作のみが発生する場合、すべての SMB クライアントは先行読み取りモードを使用します。このモードでは、クライアントはデータのバッチをローカルの読み取りキャッシュに先行して読み取ります。これにより、データの読み取りによるネットワーク通信が減り、全体的な読み取り効率が向上します。
複数クライアントでの頻繁なファイルの開閉
複数のクライアントが頻繁にファイルを開閉する場合、SMB クライアントは遅延クローズメソッドを使用します。これにより、ファイルの開閉の繰り返しによるネットワーク通信が減り、全体的なファイルアクセス効率が向上します。
注意事項
データ損失のリスク: データがプライマリストレージに書き戻される前にクライアントシステムがクラッシュしたり、電源障害が発生したりすると、キャッシュ内のデータが失われる可能性があります。
書き込みレイテンシ: データはキャッシュに迅速に書き込まれますが、プライマリストレージに同期する書き込み操作は遅延する可能性があります。これは、高いデータ整合性を必要とするシナリオには適していない場合があります。
oplock 機能の有効化
oplock 機能はデフォルトで有効になっています。以前にこの機能を無効にした場合は、次の手順に従って再度有効にすることができます。
NAS コンソールにログインします。
SMB プロトコルを使用するファイルシステムを見つけ、そのファイルシステム ID をクリックするか、[操作] 列にある [管理] をクリックします。
[基本情報] タブの [SMB 詳細オプション] セクションで、[Oplock] スイッチをオンにします。
oplock 機能の無効化
SMB プロトコルを使用するファイルシステムを見つけ、そのファイルシステム ID をクリックするか、[操作] 列にある [管理] をクリックします。
[基本情報] タブの [SMB 詳細オプション] セクションで、[Oplock] スイッチをオフにします。